私が抱いていたバレエのイメージ

私が中学生のころ、同級生にひとりだけクラッシックバレエを習っている女の子がいました。彼女はいつも背筋がピンっと伸び、足のつま先が外側に向いていました。お嬢様の典型のような彼女は、私とは住む世界がまったく違っていました。成績が良く、お父様は会社を経営されていて、友人から聞いた話によると、自宅のリビングの壁は鏡張りでレッスン用のバーが設置してあったそうです。結局ひとことも口をきくことのないまま中学校生活は終わり、卒業後は一度も彼女を見かけたことはありませんでした。それなのに、クラッシックバレエと聞くと、彼女のことを真っ先に思い出すほど、バレエとはまったく縁のない人生を送ってきました。

そして娘にバレエを習わせようと思いついたときに、久しぶりに彼女のことを思い出したのです。私は何気なくインターネットで彼女のフルネームを検索してみました。彼女は東京のあるバレエ団で講師をしていました。時には舞台に立つこともあるようで、衣装に身を包んだ彼女はとても輝いていました。

私の中で「敷居の高い習い事」のひとつであったクラッシックバレエの印象が少し変わりました。同級生の彼女は、単なるお嬢様の習い事で終わることなく、ずっと努力を続けてきた結果今があるのだと思いました。

今は私のこども時代とは違って、習い事をしていない子なんていないんじゃないかと思うぐらいに、こどもたちは忙しくしています。月曜から金曜まで毎日さまざまな習い事に通う小学生も珍しくありません。そんな背景もあってかバレエ人口もぐっと増えたようで、リーズナブルな月謝で教えてくださる教室も多く、もはやバレエは敷居の高い習い事ではなくなったように思います。

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